「今日、夕飯食べにきませんか?」 にそう言われた。 次の日が俺の非番の日だということを知って。 いつもは朝が早いせいで夕飯を一緒に食べれることは少ないからはとても嬉しそうだった。 「何が食べたいですか?」と聞かれたので、一番手間のかからない魚の塩焼きをリクエストした。 せっかく久しぶりに食べるんだからもっと手の込んだものを、と言われたが、それでいいと答えた。 「そのかわり、日本酒を用意しといてくれ。」 『一番美味しい酒の呑み方』 「副長ォー!!副長ー!?あれ?いないんですか?」 日もすっかり暮れて、夜勤の者以外はめいめい私服に着替え、 風呂に入ったり麻雀したりと、好き勝手なことをやりはじめる夜の真選組屯所。 もう勤務時間は終わっているけど念の為にと 入ったばかりの情報を報告する為土方を探す山崎の声。 「土方さんなら居ませんぜィ。昼間、今日は出かけると言ってやしたから。」 「多分、ちゃんのとこじゃないか?トシ・・・羨ましい・・・!! 羨ましいぞコノヤロー。俺もお妙さんとそんな甘い関係になりたい・・・!!」 「大丈夫でさァ近藤さん。人間に生まれ変わればきっと上手くいきまさァ。」 「そうか!!・・・・・・・・ってアレ?んん?これはもしや傷つくシーンか?」 「土方さんも土方さんでさァ。可愛い部下をほっぽり出して恋人のトコに行くなんざ。見やしたかあのニヤけてデレデレした顔。」 「・・・・・・・・・・。」 総悟・・・あのヤロウ・・・。誰がニヤけた顔だ。 俺がまだ玄関に居るの分かってて言ってやがるな。 ちょうど玄関で草履を履こうとしていた時、そんな会話が聞こえてきた。 いつもなら踵を返して怒鳴り込むとこだが、あいにく今日はそんな暇はない。 ただでさえ仕事が長引いて遅くなっているのだ。そのまま足早に屯所を後にする。 「あ、いらっしゃい。」 遅れたことを気にする様子もなく、は笑顔で出迎えてくれる。 「もうできてんの?」 「はい。バッチリですよ♪」 居間に入ると既に料理は並べられている。 ちょうど出来上がったところだったのか、どの皿や椀からも美味しそうな匂いが漂っていた。 「座ってて下さい。今お酒もって来ますから。」 「おぉ。」 「冷にします?燗にします?」 「燗。」 は返事の代わりにニコリと笑い、台所へ入った。 が戻って来るのを待って一緒に食事を取る。 土方は普段はあまり口数の多い方ではないが、と一緒の時は割と話すことが多い。 もあまりベラベラと喋る方ではないが、穏やかで明るい性格なのでとの会話は心地が良い。 今日買い物に行った時、目の前に面白い客がいたらしい。 お菓子を大量に抱えてる男の人だったという話に、一瞬嫌な顔が脳裏をよぎったが、 それ以上に楽しそうに話をするの表情をジッと凝視する。 「・・・でね、その後その人がレジに持って行こうとしたら、どうなったと思います?」 「・・・・・・・・。」 「隣にいた男の子が思い切りドツいたんだけど、それが凄い音で・・・・」 「・・・・・・・・。」 「・・・・・土方さん?」 「ん?あぁ、悪い。」 急に黙り込んだ土方をは不思議そうに見る。 「やっぱり疲れてますか?お仕事の後だし・・・。」 「・・・・・・・・・・いや、そうじゃない。」 「・・・・?」 「・・・・・・、これ空になったからもう一本貰えるか?」 「あ、はい!」 沈黙の理由を酒だと思ったのか、は空になったとっくりを持って小走りに台所へ向かう。 しばらくすると、燗のついたとっくりを盆に乗せて戻って来た。 「土方さん、この銘柄よく飲みますよね。」 そう言いながら盆を置く。 「・・・・・・・・・・・・。」 「はい?」 「これ、ついでくれるか?」 そう言って座る位置を変え、隣に来るよう促す。 は一瞬間を置いて、「はい。」と微笑んで素直に応じる。 土方の心の内など知らずに。 隣に座って土方の持つお猪口に少しずつ酒を注ぐ。 正面にいた食事時よりもずっと近い距離。 とっくりを丁寧に持つの手や、穏やかな笑みを浮かべる顔に思わず目がいく。 自分のソレよりも細くて白い指、微笑む唇は愛らしい桃色で。 何だか、無性にたまらない気分になってくる。 「、お前もコレちょっと口に入れてみろよ。」 「え・・・あ、でも私お酒弱いんです。」 「・・・・知ってる。」 「??じゃあ何で・・・・・・・キャッ!!??」 次の瞬間、の視界はイッキに反転する。 気がつけば押し倒されて、目の前には二ッと笑った土方の顔。 「お前じゃなくて、俺が飲みたいんだよ。酒。・・・・・・・・・・・・・お前の唇越しにな・・・・・・。」 そう言いながら、指での愛らしい唇をゆっくりなぞり。 「ひ、土方さ・・・・・・・んッ!!!」 口にほんの少しだけ酒を含み、そのままに口付ける。 「・・・・・・・・んッ・・・・・・んん・・・・・・・」 酒の匂いとの柔らかい唇の感触。 角度を何度も変えて舌を絡め、まったりと味わう。 ・・・・・ああ、やっぱり思った通りだ。 この方が普通に飲むよりずっといい。 の唇越しに飲む酒は、の甘い唾液と混ざり合いいっそう旨みが増す。 「・・・・・・っは・・・・。」 十分酒を味わった後、そろそろ呼吸が苦しいだろうと唇を離す。 「土方さん・・・・・・」 口に含んだ酒の量はそんなに多くはなかった筈だが、それでも酒に弱いには十分だったらしく 頬はうっすらと色づき、潤んだ瞳が焦点の合わぬままこちらに向けられている。 その姿に。思わず。 (・・・ここで止めるつもりだったんだがな・・・) 欲情させられた。 「キャッ!?」 急に抱き上げられた浮遊感には驚いて声を上げる。 「ここじゃあ何だからな。ベッドまで連れてってやるよ。」 「・・・・ッ!!だ、ダメ!土方さん・・・・!!私・・・!!」 「もう遅い。火がついちまったからな。」 「そッ、そんな・・・・!!」 何とか説得しようとするの言葉をそのまま無視して、寝室まで移動しベッドにポスンと横たえる。 「ひ、土方さん・・・・」 潤んだままの瞳のに覆いかぶさり、頬を手の平で包み、もう一度キスを落とす。 今度は甘く、啄ばむように。 キスをしたまま、ベッドの脇のカーテンを片手でシャッと引く。 先ほどまで部屋の中を照らしていた月の光も遮られ、ぼんやりと鈍い暗闇に包まれる。 「土方さ・・・だ、ダメだよ・・・・明日、その、折角お休みなのに・・・。」 「休みだから、だろ?」 「で、でも私・・・・・ひ、あ・・・・ッ!!」 「・・・・・もう黙ってろ・・・・」 酒で意識が半分朦朧としているせいなのか、土方の胸を押し返す力はほとんど感じられない程で。 腕にも力が入らなくなって来たのか、力なく土方の着物の袖を掴む。 「土方さん・・・・」 土方の名を呼ぶ声はとてもか細く、震えていて。 やっぱり酒を用意させたのは正解だったと、心の中でほくそ笑む。 は抵抗しようにも酒のせいで力が入らず、いつの間にか着物は外されベッドの下にパサリと落とされた。 「ひ、ひじかたさ・・・・やっ・・・・ま、待って・・・・」 「・・・・相変わらず色白いな、お前・・・・」 愛おしそうな表情でそう言うと、土方は胸元にも舌を這わせる。 「あっ・・・・や、め・・・・・ひじか・・・・・・ああっ!!ん・・・・・・」 土方は固くなり始めた胸の赤い実を口にそっと含み、舌で転がす。 もう片方は手で優しく揉み解きながら。 「・・・・・」 胸を弄んでいた手を段々と下げて、腹部をゆるゆると撫でる。 「ひ、じ、かた・・・・さ・・・・」 「・・・イイ反応だ・・・・・」 酒のせいかいつもよりも愛らしい反応が返ってくることに、思わず土方はニヤリと笑う。 「・・・・ッあ!!」 内股を手でサラリと撫であげると、ビクリとの体が震える。 そのまま足の付け根を繰り返し撫でて焦らせる。 「ん・・・・んんッ・・・・は・・・・・」 感じてしまう自分に余計に羞恥心を感じるのか、は快楽を受け流そうと身を捩るが それを土方が許すはずもなく。 肝心なところには触れず、周りの足や胸の先端ばかりに触れる。 その執拗な愛撫に大腿に透明の蜜がこぼれ始める。 「・・・・お前、口より体の方が素直だな。」 「い、やッ・・・・や、やめ・・・・!!」 首筋に舌を這わせながら、下着の中に右手をスルリと忍び込ませ、ソコに直接指で触れる。 「・・・・・・ほらな、体は気持ちがいいって言ってるぜ?」 トロトロと止まることなく蜜を溢れさせる入り口を、指の腹で何度も撫でてやると益々愛液は溢れ、下着をグッショリと濡らす。 そのあまりのいやらしさに少しずつ、土方のわずかに残った理性も薄れていく。 「はぁ・・・・あッ・・・・んん・あ!・・・・・・・っ!!ひゃあああ!!」 たまらずのナカに指を差し入れると、はその刺激に悲鳴にも似た嬌声を上げる。 1本・・・・・・・2本・・・・・・3本と指を増やし、バラバラに動かす。 「土方さッ・・・・・ああん!!」 「・・・・・っ・・・・お前、ホント可愛い・・・・」 が身に着けていた着衣の最後の1枚に手をかけ脱がす。 ソコが外気に晒された感覚に一瞬、の意識は戻るが、 またすぐに侵入してきた土方の指の動きに再び頭の中が真っ白になる。 「・・・・・・・・・・」 「・・・・・っ!ああっ!ひじ、か、さ・・・!!」 「悪い・・・・そろそろ限界・・・」 土方は固くそそり立った男根を取り出し、その先端でクチュクチュとの入り口の辺りをかき混ぜる。 「や、め・・・・・あ・・・・・・っ、!!」 「・・・・挿れるぞ・・・・・」 「ひじか、・・・・・・・・・っ、ああ!!」 唇に合図のキスを送り、 ズブ・・・という音を立ててゆっくりとのナカに入っていく。 「・・・・・ッ!!ゥ、あ・・・・・!!」 最初、少し痛みを感じたのか辛そうな表情を浮かべたが、十分に濡れ、慣らされていたおかげか すぐに悲鳴は嬌声に変わる。 「・・・・、動くぞ。」 そう言うと土方はゆっくりとのナカで自分のそれを動かし始めた。 「ひ、じかっ・・・・!!あ、ああ!ん、っあ・・・・!」 「・・・・お前、ココ弱いよな・・・」 「ひ、あッ!や、ダ、ダメェ・・・・!」 の制止の言葉は聞かず、土方はのより敏感な部分や最奥ばかりを攻め立てる。 愛してやればやる程に、2人が繋がったソコはヌルヌルと滑りがよくなる。 「あっ・・・・ぅん・・・!!ああ!く・・・・ッ・・・・あああ!!」 「・・・・・・・・!す、きだ・・・ッ!・・・・・・!!!」 の声が表情が、段々と余裕が無くなり、登りつめてゆくのが分かる。 土方がナカでうごめいて、甘く擦る感触が伝わる度に、何とか意識を保とうと必死で土方の首にすがりつく。 その様子が愛おしくて愛おしくて。 たまらず、の腰をグッと固定し、最初よりもずっと荒く最奥を打ち付ける。 「・・・・ッ!!ん・・ああん!!あッ、あッ・・・・!!ひじか・・・さ・・・・!!・・・・・ッああ!!」 はもうまともな言葉など紡げない程に息が上がっている。 結合部からはグチュグチュといやらしい水音が広がり、どちらのものともつかぬ液体がシーツを濡らす。 「・・・っ・・土方さ・・・!わた、し・・・も・・・」 「い、いぜ・・・っ・・・・イけよ・・・・・・・」 土方の方も限界が近い。のナカで土方のそれはますます質量を増し、動きを急速に早める。 「ひゃああ!!あっ、あ・・・ダメ!!も、ダメェェ!!!」 「・・・・っすき、だ・・!愛してる・・・・・・・・・・・・・!!」 「ッ!!ひっ・・・・・あああああ!!!」 「・・・・・・・・・・・ッ!!!」 ビクンビクンと体をのけ反らして、のナカは土方をグッと押さえつけ 土方はのナカに白濁した体液を放った。 リーリーリー・・・・・・・・・ 達した後、2人はしばらくぐったりしたまま、部屋の中には庭から虫の音だけが聞こえる。 しばらくすると土方が、に完全に覆いかぶさったままの体を動かした。 はまだ強い余韻が残っているのか、息は荒げたままで。 土方はをそっと抱き寄せ、その体を腕の中に収めた。 「・・・・、大丈夫か?」 優しく前髪を梳きながら言葉をかける。 呼吸が苦しいのか、はしばらく答えなかったが、土方はそれ以上は聞かずに、の息が収まるのを待つ。 腰に手を回し、抱きしめて、の様子を愛しそうに眺めながら。 しばらくすると、だいぶ楽になったのか、がゆっくり口を開く。 「・・・・土方さん・・・・・・私、お酒飲めないって言ったのに・・・」 「・・・悪い悪い。・・・・でもあんな表情見れるんなら、酒も悪かないな・・・。」 「・・・・っ!・・もう・・・!」 「体、平気か?」 最初、苦しそうな表情をしていたのが気になっていたのか、の下腹部を優しく撫でさする。 「・・・あ、うん。・・・平気・・・・。」 「・・・・・そうか。」 「土方さん。」 「ん?」 「カーテン、開けていいですか?月が見たいな・・・。」 「ああ。」 土方は締めていたカーテンを引くと、部屋に明るい月明かりが差し込む。 「綺麗・・・」 「明日出かけるか。が行きたがってた甘味処。」 「いいの?」 あぁ、と答えながら土方はを抱きしめる力を少し強める。 「・・・・・・・・・・ふふっ」 「なんだよ急に笑ったりして」 「土方さん、あったかい・・・・」 はモゾモゾと土方の腕に潜るように抱きつき返して。 「土方さん。」 「ん?」 「・・・・・・大好き・・・。」 答えのかわりに、土方は微笑んでの頭を優しく撫でる。 「朝、起きるまで、ずっとこうしててやるからな。・・・・・ゆっくり、休めよ。」 いつの間にか腕の中から規則正しい寝息が聞こえる。 のぬくもりを感じたまま、土方も目を閉じた。 ー・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・ 燃え尽きた。 うう、裏って難し・・・・(汗) |